邪馬台国はどこですか? ― 2007年06月08日 22時47分37秒
題名:【邪馬台国はどこですか?】
著者:【鯨 統一郎】
出版:【創元推理文庫】
カウンター席だけの地下一階の店、「スリーバレー」、バーデンダーの松永の頭の中にあるカクテルのレシピは5種類だけ。お客はいつも、常連の某私立大学文学部教授で専攻は日本古代史の三谷敦彦、同じ大学の文学部助手の早乙女静香、雑誌のライターをしているらしい宮田六郎の三人だけ。ところが、この三人(松永も加わって四人)は、集まると、とたんに歴史談義が始まってしまう。「ブッダは悟りなんか開いていない」「邪馬台国があったのは、九州でも畿内でもない」「聖徳太子は架空の人物だった」「本能寺の変は、信長が、明智光秀に頼んで起こした」「明治維新は、勝海舟ただ一人によって成し遂げられた」「イエス・キリストは本当に復活した」どれも、宮田六郎によって打ち立てられた説はあまりにも突拍子もないものばかりなので、早乙女静香は、一笑に付してしまうのだが・・・。
これは、すっごくおもしろかったのですよ。電車で読むのにまさに、うってつけ。ミステリと言っても、歴史ミステリ。実際に殺人が起こるわけでもないし、大金強奪が計画されるわけでもありません。ミステリだけど、手に汗握るって所がないので、いつでもやめられるし・・・。短編を6つ集めたもので、比較的一話一話も短い。それにスタイルが小説なので、とっても読みやすい。しかもなんと言っても一冊の厚みがそれほど無いので、バッグに入れても重くない。(これって、毎日通勤に持っていくとなると、重要なんですよね~)
宮田さんの説は、どれも今まで聞いたことも無い説で、ちょっとビックリな感じなのですが、これが読んでるうちに、「これが本当かも」と思えてきちゃうから不思議。今まで長年「何でかな~」と思っていた疑問にようやっと答えてもらった、なんだかそんな気がしました。
小説スタイルだから、説明も会話調で、歴史はまるっきり素人(高校では、ちゃんと日本史を履修した世代ではあるのですが、授業をまるで聞いちゃいなかったもので、ほとんど、歴史の知識は中学卒業程度)の私でも、「え~、難しくて何をいってるのか、わかんない~~」とか、「説明くどくて、話がちーとも進まなくておもしろくないよ」とか言うところが全然なくてとても良かったです。
ただ、逆に、ほんとに新説なのかも知れないのに、小説だから、新説とは到底認められないだろうな、ってところがなんだか“惜しい”カンジ。
あえて、あくまでもあえて、ひとつだけ文句をつけるとすると、個人的な(全く個人的な私だけの)好みなのですが、この早乙女静香という女性のキャラクターが気に入らない。タカビー(高飛車って意味だけど、今は言わない?)だから、とか、言動が乱暴だから、とか、そんな事は全然気にしないんだけれど、時々表れる学者とはとても思えない態度がなんだかね・・・。「知らないわよ、そんな昔のこと」なんて言ってしまったら、例え、売り言葉に買い言葉、で、つい言っちゃた、としても、それは学究の人とは言えない気がするのですよね~、私は。
私、この早乙女静香さん、雑誌「歴史ジャーナル」とか、「月刊世界史」とか(名前はなんでもいいのですが)の敏腕編集長で、三谷教授はその雑誌の学術的権威で顧問、で、宮田さんはライター。早乙女女史は、宮田さんの突拍子もない説の原稿を「こんなの、うちの雑誌に載せた日には、雑誌の権威に傷がつく」とか言って、「スリーバレー」に呼び出してつき返すんだけど、三谷教授が、知的好奇心を抑えられずに「どうしてこういう説を思いついたのか、ちょっと教えてくれないか・・・」とか言って、歴史談義が始まる・・・。な~んて感じだと、早乙女女史がいきなりすんごくえらそうだったり、時々、歴史に興味ないんじゃ?と思える態度だったり(経営者は時として中身より体裁の方が大事だったりすることもあるものだし)、三谷教授の出番がほとんど無かったりしても、すんなり受け入れられるんですけどね・・・。
っま、個人の好みの話なので、本のおもしろさとは、まるで関係のない事なんですけど。
電車の中でとてもいい時間を過ごさせていただいたので、★★★(星みっつ!)
著者:【鯨 統一郎】
出版:【創元推理文庫】
カウンター席だけの地下一階の店、「スリーバレー」、バーデンダーの松永の頭の中にあるカクテルのレシピは5種類だけ。お客はいつも、常連の某私立大学文学部教授で専攻は日本古代史の三谷敦彦、同じ大学の文学部助手の早乙女静香、雑誌のライターをしているらしい宮田六郎の三人だけ。ところが、この三人(松永も加わって四人)は、集まると、とたんに歴史談義が始まってしまう。「ブッダは悟りなんか開いていない」「邪馬台国があったのは、九州でも畿内でもない」「聖徳太子は架空の人物だった」「本能寺の変は、信長が、明智光秀に頼んで起こした」「明治維新は、勝海舟ただ一人によって成し遂げられた」「イエス・キリストは本当に復活した」どれも、宮田六郎によって打ち立てられた説はあまりにも突拍子もないものばかりなので、早乙女静香は、一笑に付してしまうのだが・・・。
これは、すっごくおもしろかったのですよ。電車で読むのにまさに、うってつけ。ミステリと言っても、歴史ミステリ。実際に殺人が起こるわけでもないし、大金強奪が計画されるわけでもありません。ミステリだけど、手に汗握るって所がないので、いつでもやめられるし・・・。短編を6つ集めたもので、比較的一話一話も短い。それにスタイルが小説なので、とっても読みやすい。しかもなんと言っても一冊の厚みがそれほど無いので、バッグに入れても重くない。(これって、毎日通勤に持っていくとなると、重要なんですよね~)
宮田さんの説は、どれも今まで聞いたことも無い説で、ちょっとビックリな感じなのですが、これが読んでるうちに、「これが本当かも」と思えてきちゃうから不思議。今まで長年「何でかな~」と思っていた疑問にようやっと答えてもらった、なんだかそんな気がしました。
小説スタイルだから、説明も会話調で、歴史はまるっきり素人(高校では、ちゃんと日本史を履修した世代ではあるのですが、授業をまるで聞いちゃいなかったもので、ほとんど、歴史の知識は中学卒業程度)の私でも、「え~、難しくて何をいってるのか、わかんない~~」とか、「説明くどくて、話がちーとも進まなくておもしろくないよ」とか言うところが全然なくてとても良かったです。
ただ、逆に、ほんとに新説なのかも知れないのに、小説だから、新説とは到底認められないだろうな、ってところがなんだか“惜しい”カンジ。
あえて、あくまでもあえて、ひとつだけ文句をつけるとすると、個人的な(全く個人的な私だけの)好みなのですが、この早乙女静香という女性のキャラクターが気に入らない。タカビー(高飛車って意味だけど、今は言わない?)だから、とか、言動が乱暴だから、とか、そんな事は全然気にしないんだけれど、時々表れる学者とはとても思えない態度がなんだかね・・・。「知らないわよ、そんな昔のこと」なんて言ってしまったら、例え、売り言葉に買い言葉、で、つい言っちゃた、としても、それは学究の人とは言えない気がするのですよね~、私は。
私、この早乙女静香さん、雑誌「歴史ジャーナル」とか、「月刊世界史」とか(名前はなんでもいいのですが)の敏腕編集長で、三谷教授はその雑誌の学術的権威で顧問、で、宮田さんはライター。早乙女女史は、宮田さんの突拍子もない説の原稿を「こんなの、うちの雑誌に載せた日には、雑誌の権威に傷がつく」とか言って、「スリーバレー」に呼び出してつき返すんだけど、三谷教授が、知的好奇心を抑えられずに「どうしてこういう説を思いついたのか、ちょっと教えてくれないか・・・」とか言って、歴史談義が始まる・・・。な~んて感じだと、早乙女女史がいきなりすんごくえらそうだったり、時々、歴史に興味ないんじゃ?と思える態度だったり(経営者は時として中身より体裁の方が大事だったりすることもあるものだし)、三谷教授の出番がほとんど無かったりしても、すんなり受け入れられるんですけどね・・・。
っま、個人の好みの話なので、本のおもしろさとは、まるで関係のない事なんですけど。
電車の中でとてもいい時間を過ごさせていただいたので、★★★(星みっつ!)